正しいサンドイッチパネルの選び方

サンドイッチパネルは、軽量なコア材を2つの表面材で挟んだ、多用途な建築材料です。この複合構造は、断熱性と耐久性を兼ね備えていることが多いので、耐候性と断熱性を備えた建物の外装材として広く使用されています。また、工業用ビル、倉庫、クリーンルームなどの内壁、間仕切り、耐火壁としても利用できます。このガイドでは、サンドイッチパネルの用途・素材・特性について説明していきます。

サンドイッチパネルを見る

  • サンドイッチパネルの選び方

    ARCELORMITTALのサンドイッチパネル

    ARCELORMITTALのサンドイッチパネル

    どのサンドイッチパネルを選ぶかは、用途と建築規制から決めます。サンドイッチパネルは、 一般的に外壁、屋根、間仕切り、家具、壁や床の断熱材として使用されています。 以下は、サンドイッチパネルを選択する際に考慮すべきポイントです:

    • 用途
    • 設置
    • コア材
    • 表面材
    • 技術的特性
  • サンドイッチパネルの用途について

    ONDULIT ITALIANAの屋根用断熱サンドイッチパネル

    ONDULIT ITALIANAの屋根用サンドイッチパネル

    多くのサンドイッチパネルは、屋根や外壁などの特定の用途に最適化されています。 しかし、これらが地域の規制に適合し、建物自体に適しているかどうかを確認する必要があります。 以下は、最も一般的な用途と主に考慮すべき点です:

    外壁用サンドイッチパネルは、断熱効果を提供し、雨や風から壁を保護します。 ただし、高層建築物の場合は、火災安全規則がより厳しくなることを念頭に置いてください。

    屋根用サンドイッチパネルは、火災安全規則を守る必要があるだけでなく、屋根の勾配や積雪・メンテナンス機器・人などによる荷重も考慮しなければなりません。 伝統的な屋根を模したタイル模様やはぜ、波形デザインのサンドイッチパネルもあります。

    また、サンドイッチパネルは、間仕切り壁、軒天、ドアにも使用できます。 ご要望に応じて、材料や仕上げの種類をお選びいただけます。

  • サンドイッチパネルの設置について

    PANELAISのサンドイッチパネル

    PANELAISのサンドイッチパネル

    サンドイッチパネルには、設置を容易にし、性能を向上させるための特殊な固定や連結システムが備わっていることがあります。特に、連結システムは断熱において極めて有用であり、床、屋根、または外壁に対して連続したバリアを提供し、熱橋を防ぎます。パネルの損傷や建物の性能低下を避けるために、サンドイッチパネルが他の建材と適合性があることが重要です。

    パネルを設置する前に、設置作業の流れと、パネルの接合の仕方を理解しておく必要があります。以下は、外壁用サンドイッチパネルの設置例ですが、パネルのタイプやメーカーによって異なる場合があります:

    1枚目のパネルを設置した後、ドアと窓の枠を取り付けます。2枚目のパネルは、しっかりと押し下げて密着させ、熱橋を防ぐように取り付ける必要があります。

  • サンドイッチパネルのコア材について

    PROFHOLODのミネラルウールコア材サンドイッチパネル

    PROFHOLODのミネラルウールコア材サンドイッチパネル

    サンドイッチパネルのコア材の選択は、断熱性、防音性、耐火性、強度などに大きな影響を与えます。 コア材は、一般的に発泡材、ハニカム材、波形材で作られています。 発泡サンドイッチパネルとは対照的に、ハニカムコアパネルは、断熱性よりも強度を優先しています。 ハニカムコアの最も一般的な素材は、アルミニウム、ポリプロピレン、厚紙などです。 断熱サンドイッチパネルの場合、最も一般的な発泡コアのタイプは以下の通りです:

    ポリウレタンコア材サンドイッチパネルは、初期の断熱性は高いですが、耐火性に欠けます。 ポリイソシアヌレートコア材(PIR)は、耐火性能を向上させるために考案され、より優れた耐火性、断熱性、安定性を提供します。

    フェノールフォームサンドイッチパネル(PF)は、ポリイソシアヌレートコア材より高価ですが、耐熱性と耐火性は少々上です。

    ポリスチレンサンドイッチパネルは、ポリウレタンコア材やポリイソシアヌレートコア材よりもお手頃な場合が多いですが、耐熱性や耐火性は劣る傾向にあります。 難燃剤は、火災安全基準を満たすために、製造中に練りこまれる場合があります。 ポリスチレンサンドイッチパネルには、押出法ポリスチレンフォーム(XPS)と発泡スチロール(EPS)の2種類があります。 XPSはEPSに比べて高密度で耐熱性が高く、湿気や蒸気に強いです。

    ミネラルウールコアサンドイッチパネルは、ミネラルウールが不燃性であるため、優れた耐火性で知られています。 PIRより重く断熱性に劣りますが、防音性に優れています。

  • サンドイッチパネルの表面材について

    Garnicaの合板SIP(構造断熱パネル)

    Garnicaの合板SIP(構造断熱パネル)

    サンドイッチパネルの表面材は、性能と見た目の美しさに影響を与えます。 以下は、各素材の特徴です。

    最も一般的な金属断熱サンドイッチパネルの種類は、アルミニウムスチールであり、屋根や外壁によく使用されます。 アルミニウムは、耐食性に優れ軽量です。スチールは、耐衝撃性に優れています。 保護や美しさのために、コーティングで仕上げられることが多いです。

    木質サンドイッチパネルには、合板や構造用面材(OSB)など様々な材料があり、それぞれ機能は異なります。 構造壁用の構造断熱パネル(SIP)から、ドアや家具用の無垢材パネルに代わる軽量なハニカムコアウッドパネルまで、その種類は多岐にわたります。

    ガラス繊維で表面を覆われたサンドイッチパネルは、その軽量性と耐腐食性から、家具、壁パネル、パーテーションなどに使用されます。

    HPLまたはPVC仕上げのサンドイッチパネルは、色やパターンの種類が豊富です。 金属や木材などの面材の上に、保護や装飾目的で取り付けられることもあります。

  • サンドイッチパネルの技術的特性について

    BELLOTTIの床用サンドイッチパネル

    BELLOTTIの床用サンドイッチパネル

    サンドイッチパネルの技術的特性は、使用目的から選びます。 以下は、最も一般的な特性です:

    • 密度(kg/m2): 支持体が、パネルの重さに耐えられることを確認しましょう。
    • 寸法と厚み: 設置のしやすさと性能に影響を与えます。
    • 耐火性: ヨーロッパでは、Euroclasse 13501-1、米国ではASTM E84が、材料の燃焼性と発煙性の評価に使用されています。 求められる規格は、地域の規制やサンドイッチパネルの使用目的により異なります。
    • 熱伝導率(λ値): λ値は、断熱材の熱伝導率で、単位はW/mKです。 λ値が低いほど断熱性が高いです。
    • 熱貫流率(U値): U値は、建材を通して失われる熱量で、単位はW/mKです。 U値が低いほど断熱性が高いです。
    • 遮音性能: 音響透過損失をデシベルで表したものです。  数値が高いほど遮音性が高いです。

    その他の特性には、水蒸気、空気透湿性があり、建物の外壁の品質に影響を与える可能性があります。 機械的耐性と圧縮強度は、風、雪、人、設備など様々な荷重を受けるパネルにとって重要です。

関連したガイド
1 Star2 Stars3 Stars4 Stars5 Stars (1 votes, average: 1.00 out of 5)
読み込み中...
No comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です