吸音パネルの選び方

騒音を低減し、音質を高め、快適な環境を整えることは、パフォーマンス空間においても日常空間においてもとても大切な要素です。その点でいうと、精巧でデザイン性に優れた吸音パネルの登場は、私たちが音を体験する方法を一変させてくれました。コンサートホールから賑やかなオフィス、レストラン、公共エリアまで、吸音パネルはさまざまな環境に自然な形で溶け込んでいます。本購入ガイドでは、吸音パネルの複雑な現状をナビゲートすることで、お客様がご自身のニーズに合わせて十分な情報に基づいて選択できるようお手伝いいたします。

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  • 最適な吸音パネルの選び方

     The Acoustics Company社製 布貼り吸音パネル

    The Acoustics Company社製 布貼り吸音パネル

    理想的な吸音パネルを選ぶには、複数の要素をよく検討する必要があります。 吸音レベルや設置場所、デザインスキームへの統合などです。 本ガイドでは、選ぶ際の重要ポイントとさまざまなオプション機能についてご紹介します。

    重要ポイント:

    • 目的と用途
    • 性能と防音性
    • 設置方法
    • 素材
    • 形状とサイズ
  • 目的と用途について

     DASSO社製 吸音パネル

    DASSO社製 吸音パネル

    ご自身のニーズに最も適した吸音パネルのタイプを選ぶには、設置する空間の機能と用途が大きく影響します。 コンサートホールや劇場で求められる音と、にぎやかなオフィスや落ち着いたレストランで求められる音は大きく異なります。 吸音パネルは、各目的に応じて、音の方向転換、拡散、吸収を行うことができます。

    例)

    • コンサートホール/劇場 :反響を抑えることで観客の音響体験を向上させ、音を吸収することで不要な残響を低減します。
    • オープンプランのオフィス/コールセンター/レストラン : ワークステーションとワークステーションの間に吸引パネルを設置することで、プライバシーと会話の明瞭さを高め、騒がしい空間を安らぎと集中できる場に生まれ変わらせます。
  • 性能と防音性について

    吸音パネルはそれぞれ性能が大きく違うため、各プロジェクトの仕様に合わせて選択する必要があります。 考慮すべき主な性能には、騒音低減係数(NRC)と耐火性が含まれます。

    騒音低減係数(NRC)は、吸音パネルの吸音性を測定するもので、1が最高(すべての音を吸収)、0が最低(音を吸収しない)です。 これは、250Hz~2000Hzの範囲内の4つの特定の周波数で測定された平均吸音率を考慮しています。 つまり、同じ平均値を持つ2枚のパネルが、異なる周波数にさらされた環境で異なる性能を発揮する可能性があるということです。 そのため、専門家の多くは、異なる周波数におけるパネルの吸音率を示す曲線を見るほうを好みます。 ISO 354のような公認試験規格にも注目しましょう。

    耐火等級・耐火性に関しては、パネルがご自身の国で使用されている耐火等級に適合しているかどうかご確認ください。 例えば、ヨーロッパで使用されているユーロクラスは、AからFまであります(Aが最高ランク)。 米国では、ASTM E84規格(クラスAまたはクラス1が最高)がよく使われています。

    性能に関する重要ポイント:

    • 騒音低減係数(NRC) : 吸音性の尺度で、0~1で示されます。 NRC値が高い吸音パネルは吸音性に優れています。
    • 耐火性 : お住まいの地域の防火安全基準(欧州のユーロクラス規格や米国のASTM E84規格など)に準拠していることをご確認ください。
  • 設置方法について

    ESTEL 自立型吸音パネル

    ESTEL 自立型吸音パネル

    吸音パネルの設置方法は、防音パネルの性能を左右する重要な検討事項です。 吸音パネルは固定式と移動式があり、間仕切り壁や天井に組み込むタイプ、に取り付けるタイプがあります。 壁のスペースがあまりない場合は、天井空間の仕切りとして使える自立型のものを検討するとよいでしょう。 天井が開いていたり高かったりする大空間では、吊り下げパネルや天井全体に配置された音響バッフルボードがおすすめです。 非常に特殊な音響条件がある場合は、ニーズに合ったパネルの種類や配置、サイズを専門のエンジニアに相談してみるのも一つの手です。

  • 素材について

     FORM AT WOOD 木製吸音パネル

    FORM AT WOOD 木製吸音パネル

    吸音パネルに選ばれる素材は、吸音性と外観において極めて重要な役割を果たします。 吸音パネルに使用される最も一般的な素材は、合成発泡体、ガラス繊維、木材、布地、金属などです。 単一素材で作られたパネルもありますが、多くのパネルは発泡体層と硬質コアを布や他の素材で覆っています。 素材の組み合わせによって、吸音性や反響性のレベルが変わります。

    ポリウレタンやメラミンなどの発泡体吸音パネルは経済的ですが、密度下部の高い素材に比べて壊れやすく、低周波を吸収する効果も低い傾向があります。 そのため、発泡体吸音パネルはしばしば他の素材と組み合わせて使用されます。

    ガラス繊維は吸音性、耐熱性ともに高いですが、リサイクルしにくいのが難点です。

    ミネラルウールはリサイクル材の割合が多く、吸音性も高いです。 また、耐湿性があり、ガラス繊維よりも耐火性、耐熱性に優れています。

    布貼りタイプは、豊富なカラーや形、サイズがあり、空間を装飾したり、人目を引きたいときに最適です。

    金属製吸音パネルは、吸音性を高めるため、パンチングメタルのデザインが施されたものが多いです。

    木製吸音パネルは、パネル単体から間仕切り壁や下がり天井まで、すのこ状、穴あき、彫刻入り、3Dなどのデザインがあります。 ウッドウール吸音パネルは、オープンファイバー構造によって吸音効果が高められています。

  • サイズと形状について

     ECOPHON社製 丸型吸音パネル

    ECOPHON社製 丸型吸音パネル

    吸音パネルのサイズや形状、表面は、吸音性だけでなく、デザイン性でも優れています。

    • サイズ : 大きいサイズの吸音パネルはより多くの音を吸収するため、広々とした環境に適しています。
    • 形状 : 四角形六角形丸型(円形)などのモジュール式は、視覚的な面白さを加えることができます。
    • 表面の質感 : ピラミッド型、波型、幾何学などの3Dデザインは、平面に比べて吸音性を高めるだけでなく、芸術的センスも加わります。
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