張り地と装飾生地の選び方

目的に合った生地を選ぶことは、空間のスタイルや快適性、掃除のしやすさなどにつながります。 このガイドでは、目的に合った生地を選ぶための、最も重要な選択基準をご紹介します。

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  • 張り地や装飾に適した生地の選び方について

    DEDAR MILANO社製の生地

    DEDAR MILANO社製の生地

    張り地には様々な柄、密度、素材があり、それらが生地のスタイルを決定し、品質にも影響を与えます。 以下は生地の主な選択基準です:

    • 用途
    • サイズとスレッドカウント
    • 技術的特徴
    • 素材
    • 柄と色
    • 最近のトレンド
  • 生地の用途について

    SUNBRELLA社製カーテン生地

    SUNBRELLA社製カーテン生地

    生地の主な装飾用途には、張り地、カーテン、オーニングなどがあります。 利用者に快適さを提供するためには、用途に合わせて生地を選択することが重要です。 例えば、カーテンの生地を選ぶ際には、光を完全に遮断したいのか、それとも和らげたいのか、保温性を優先したいのか、などについて考える必要があります。 遮光生地は朝日を防ぎ、半透明のシアー生地は光を通しながら、プライバシーを守ります。 張り地には、掃除のしやすさ、快適さ、水や汚れに強いこと、耐摩擦性などの機能を持った生地がおすすめです。 屋外用の張り地やオーニングに使用される生地には、特に防汚性、紫外線性、耐水性も求められます。

  • 生地のサイズ、密度、スレッドカウントについて

    OSBORNE & LITTLE社製の再生生地

    OSBORNE & LITTLE社製の再生生地

    生地を選ぶ際には、サイズ、重さ、スレッドカウントなどを考慮して選ぶことが大切です。

    生地のサイズ: 用途に合わせて十分な幅の生地を選ぶことで、縫い合わせの回数を減らし、時間を短縮することができます。

    重量(g/m2): 一般的に、重い生地は軽い生地よりも弾力性がありますが、価格も高くなります。

    スレッドカウントとは、生地の織り目の細かさを表すもので、1インチ四方あたりの糸数です。 糸の数が多いほど良質な生地となりますが、繊維の太さ、均一性、耐性、長さなども生地の質に影響します。

  • 生地の技術的特性について

    生地を選ぶ際に考慮すべき最も重要な技術的特性は、耐火性、耐摩耗性、耐候性、そして環境への影響です。

    SERGE FERRARI社製の耐火性生地

    SERGE FERRARI社製の耐火性生地

    耐火性: 生地の耐火性は、用途や地域により異なります。例えばヨーロッパではEN13501-1、米国ではNFPA 701認証など、用途に応じて生地がどのような規格を満たす必要があるか、現地の規制を確認します。 ケブラーやウールのように、もともと難燃性の生地もあります。 その他の生地には防炎加工が施されていますが、経年劣化により再加工が必要になる場合があります。

    環境保全: Ecocert(エコサート)、Greenguard(グリーンガード)、Oekotex(エコテックス)などのエコラベルにより、有害物質の使用を制限したり、廃棄物、水、大気汚染を最小限に抑えた生地を簡単に識別することができます。 VOCフリーまたはVOC含有量の少ない生地は、健康に害を及ぼす可能性のある揮発性有機化合物の放出を抑えることができます。 また、環境への負荷を軽減するために、リサイクル繊維を使用した生地や、有機栽培で作られた生地もあります。

    耐摩耗性: 張り地の場合、マーチンデール試験やワイゼンビーク試験などの摩耗試験は、用途に応じた生地の適合性を判断するのに役立ちます。 ヨーロッパで使用されるマーチンデール試験法で40,000以上、またはアメリカで使用されるワイゼンビーク試験法で30,000以上の数値の生地は、重使用・商業施設に適していると考えられます。

    耐候性: 多くの屋外用の生地は、耐水性、耐紫外線性、耐カビ性なので、耐用年数が長く、メンテナンスが少ないです。

  • 生地の種類について

    選んだ生地が使用目的に適しているかどうか、予算内であるかどうかを確認しましょう。以下は、主な天然素材から作られた生地です:

     ELMO社製の天然皮革

    ELMO社製の天然皮革

    綿生地(コットン生地)は安価で、色や柄も豊富にあります。 耐久性、通気性、耐退色性に優れていますが、シミやシワになる可能性があります。 化学薬品が使用されていない、有機栽培の綿(オーガニックコットン)が良いでしょう。

    リネン生地(亜麻布)は高価ですが、綿生地よりも環境に優しい素材です。 亜麻から作られているので、育てやすく、細菌や虫、病気、カビなどにも強いです。 また、亜麻は綿花の生産に比べて水の使用量や廃棄物の発生量が少ないです。 染色が難しいため、自然な色合いのものが多いです。 丈夫ですが、シミや日焼け、シワになりやすいので、住宅での使用に適しています。

    ウール生地は丈夫で、汚れや炎、カビなどにも強いです。 ただし、他の生地よりも高価で、洗い方はドライクリーニングのみとなります。 また、仕上げやパターンの種類も限られています。

    革(レザー)生地は耐久性に優れ、汚れを拭き取るのも簡単ですが、非常に高価で、時々特別なケア用品が必要になることもあります。

    絹(シルク)生地は高級感があり、見た目にも美しいのが特徴です。 しかし、高価で汚れやすく、手入れも大変です。

    以下は合成繊維で作られた主な生地です:

    LUCIANO MARCATO社製ポリエステル生地

    LUCIANO MARCATO社製ポリエステル生地

    ポリエステル生地は丈夫で、汚れやシワ、色あせに強く、色や仕上げのバリエーションも豊富です。 つまり、業務用途や住宅プロジェクトなどに幅広く使用できます。

    ポリプロピレン(オレフィン)生地は、リサイクル性が高く、耐久性に優れ、汚れが落ちやすい素材のため、屋外に使用されることもあります。

    ビスコース(レーヨン)生地は、木材パルプを原料とした安価な素材です。 シルクやベルベット、シェニールなどのイミテーションとしても使用できますが、耐久性はあまり高くありません。

    アクリル生地は速乾性があり、色あせやカビにも強いので、屋外使用に適しています。

    ナイロン生地は、耐摩耗性、耐虫性、耐カビ性、耐シワ性に優れていますが、紫外線にはあまり強くありません。

    重使用・商業施設で使用される場合は、折り目や汚れ、摩耗に強い丈夫な素材がおすすめです。 1種類の素材のみを使用した生地を作ることも可能ですが、多くの生地は他の素材とブレンドすることで、仕上がりや堅牢性、メンテナンス性の向上、コストの削減を図っています。

  • 生地の柄や色について

    NINA CAMPBELL社製プリント生地

    NINA CAMPBELL社製プリント生地

    生地の柄や色は、空間全体の装飾に大きな影響を与えます。 無地のものは長く使えますが、柄入りのものは、空間に遊びや個性を加えたり、劣化をカモフラージュできます。 また、色や柄だけでなく、ベロアやシルク、滑らかな繊維と粗い繊維など、異なる質感を組み合わせることで、デザインに独創性を持たせることができます。

    柄の入れ方は、生地の寿命、スタイル、質感に影響を与えます。 柄は、ローラープリントやスクリーンプリントなどのさまざまな方法で生地にプリントすることができ、また、ジャカード織りダマスク織りなどの技術を使って、柄を直接生地に織り込むこともできます。

  • 最近のトレンドについて

    ELITIS社製屋外用生地

    ELITIS社製屋外用生地

    最近の張り地や装飾用生地には、アウトドア用のものや環境に優しいもの、自然な模様のものなどがあります。

    屋外用の張り地の色や柄の選択肢が以前よりも増え、耐水性、耐紫外線性、防カビ性などが施されています。

    素材の環境負荷やライフサイクルが重要視される中、リサイクル素材や天然素材、オーガニック素材が増えています。そのため自然な色や質感、中間的な色調が人気です。

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