エアコンの選び方

HEYLO社のポータブルエアコン

業務用・家庭用エアコンの選択は、快適さ、価格、エネルギー効率に大きな影響を与えます。 まず、エアコンを設置する場所の冷暖房の必要性を把握し、どのタイプのエアコンがふさわしいかを調べます。 エアコン選びを左右する主な基準には、以下のようなものがあります。

• 設置場所に必要なエアコンの大きさとパワー
• エアコンのタイプ
• 技術的特徴
• 気候
• オプションとトレンド

HI-REF社のルーフトップエアコン

適切な冷房出力とサイズのエアコンを購入することで、エネルギーを節約し、騒音を減らし、快適さを得ることができます。 大きければいいというものではありません。必要以上のパワーを持つエアコンは、最適に動作しない可能性があります。 そのため、エアコン自体が長持ちせず、ランニングコストが高くなったり、室内の温度にムラが出たりすることがあります。

エアコンに必要な冷房能力を英熱量毎時（BTU/hr）またはワット（W）で表すには、設置場所の広さを知る必要があります。 また、建物の断熱性だけでなく、設置場所にいる人の数、電化製品、窓やドアなど、温度に影響を与える可能性があるものを考慮することも重要です。 エアコンメーカーによっては、1平方メートルあたりに必要な電力を見積もるための一般的なガイドラインやオンライン計算機を提供しています。

このように必要なエネルギーを計算することは、エアコン選びの出発点として役立ちますが、大規模な商業施設・工場などには、HVAC (冷暖房空調設備) やMEP (機械、電気、配管) の専門家と協力して、システム全体が最適に機能するように正しく計画・設置することがとても重要です。 システムによっては、ルーフトップエアコン、エアハンドリングユニット、チラーなどの機器が必要になることもあります。

エアコンの種類は、設置場所の広さやレイアウト、冷房が必要なエリアや部屋の数、常設タイプかポータブルタイプかなどから選びます。以下に、エアコンの主な種類をまとめました。

FRIEDRICH社のウインドエアコン

一体型エアコンは、熱を圧縮して、直接外に熱を送り出すオールインワンエアコンです。通常は、ダクトや外部への開口部を介して使用します。

ウインドエアコンは、通常窓の開口部に後付けされる一体型エアコンの1つで、外部に直接熱を送り出します。 一体型エアコンよりもエネルギー効率が良いとされていますが、空気漏れや危険（窓からの落下など）を避けるため、正しく設置する必要があります。

スプリットタイプ空調機は、室内機および室外機から構成されています。 スプリットシステムの最大のメリットは、ダクト式に比べて設置やメンテナンスが簡単で、一体型エアコンよりも静かな点です。 また、1部屋以上に増設できる点も利点です。 室外機は、1台の室内機（モノスプリット）または複数台の室内機（マルチスプリット）に接続でき、住宅および商業施設に適しています。 スプリット型室内機の多くは、壁や天井に設置されることが多いのですが、埋め込み式も用意されていることがあります。

TROTEC社のポータブルスプリットエアコン

ポータブルエアコンには、一体型とスプリット型があります。 ポータブルエアコンで最も一般的なのは、1つの部屋の熱気を外部に排出するダクトを備えた一体型エアコンです。 設置が簡単で、移動させる場合に適していますが、一般的にポータブルスプリットエアコンに比べるとエネルギー効率が悪く、騒音も大きいです。 固定設置ができない賃貸ビルなどには、ポータブルスプリットエアコンが適しています。

ダクト式空調では、ダクトや空気拡散器を使い、冷やした空気を送ります。 非ダクト式と比べ、よりメンテナンスやスペースが必要な場合がありますが、天井に埋め込むことができるため、空間との一体化が図れます。

SAMSUNG社の天井型エアコン

エアコンは、地方公共団体の規制だけでなく、建物の用途に適しているかどうかを確認することが重要です。 以下に考慮すべき重要なポイントをご紹介します。

• 騒音レベル（単位：dB）: 室内機と室外機の音は、その空間にいる人の快適さに大きな影響を与えるため、購入前に確認しておきましょう。
• 冷房効率を知るには、ある温度条件下で測定した冷房能力（単位：BTU/h)÷消費電力（W）で算出できるエネルギー効率比（EER）を確認します。 エネルギー効率比は、高いほど良いです。
• 暖房効率は、ある温度条件下での暖房能力（W）÷消費電力（W）で算出できるエネルギー消費効率(COP)を確認します。 1に近いほど性能が高いです。
• 暖房の場合は、季節エネルギー効率比（SCOP）、冷房の場合は季節エネルギー消費効率（SEER）を確認します。季節の中で異なる温度下でのエアコンの性能と、1時間あたりの消費エネルギーが分かります。
• エネルギー認証制度: エアコンがエネルギースター評価（米国）やEUエネルギーラベルなどの認証を受けているかどうかをチェックしましょう。 エネルギー効率が良い製品が、これらの認証を受けています。

エアコンが、お住まいの場所の気候に適しているかどうかを知ることも重要です。 まず、冷暖房エアコンと冷房専用エアコンのどちらを購入するかを検討しましょう。 例えば寒冷地では、冷暖房エアコンを使うよりも、暖房器具のみを使用した方がエネルギー効率がよく、電気代が安くなる場合もあります。 また、ヒートポンプも検討してみましょう。 そして、エアコンの最高使用温度と最低使用温度が、使用する空間や気候に適していることを確認してください。 エアコンの中には、極端な寒さや暑さに弱いものがあり、ランニングコストが高くなったり、メンテナンスが難しくなることがあります。

AIRWELL社のWiFi対応エアコン

最近のエアコンには、その場にいなくてもエアコンの温度調節ができたり、空気の質を改善する機能を備えたものがあります。 Wifi式のスマートエアコンは、帰宅前や出社前にエアコンをプログラムして、帰宅時に部屋を涼しくしておくことができます。 インバーターエアコンは、圧縮機の回転数を変化させることで室温を調整し、消費電力の大きいオン・オフではなく、必要な冷房出力に調整することができます。 エアコンの中には、室内の空気環境を改善するための特殊なフィルターが装備されているものもあります。 また、IT機器のメンテナンスが重要視される中、サーバーやデータセンター用の精密空調システムの普及が進んでいます。